紙製ストローの話し
スターバックスの正式表明
11/26にスターバックスが正式に2020年中にプラストローから紙製ストローへの切替を表明しました。
約1年前からプラストロー廃止をうたっていたスターバックスが正式に切替える材質を紙に指定して表明した形です。
ここまでの正式表明に1年以上かかりました。
紙製ストローが本当に正解なのか?
今世界中で脱プラの動きが盛んです。
私は包装に関する仕事をやっているので販売している商品のかなりの割合がプラスチック由来のものです。
結論から言うとプラ製の包装材はなくなりません。
なぜならストローならまだしも、商品を壊さずに、新鮮を維持して消費者まで届けられるものは”まだ”プラスチック製の資材にとってかわるものが存在しないからです。
なにげなく手に取って食べているお菓子。
袋の中に脱酸素剤といわれるものが入っていればその商品を包んでいるものは間違いなくプラスチック製の袋です。
かつ商品劣化を防ぎ賞味期限を長くするために特殊な袋になっています。
この袋はいろんな材質のプラが混ざっていてリサイクル出来ません。
その恩恵をうけて私たちは安くておいしいお菓子や食品を口にできています。
今なぜ脱プラがトレンドなのか思い出してみる必要があると思います。
脱プラの流れ
ではなぜこのような脱プラの流れが出来上がってきたのか。
大きく2点です。
1つは
「海洋汚染問題」
です。
ポイ捨て等されたプラ製ゴミが海に流れ着いて海洋生物に悪影響をおよぼす。
また、汚染された海洋生物を人間が捕食して食べる。
既にマイクロプラスチックを含んだ魚を人間が食べているとうニュースもあります。
これを廃止しようというのが一面にあります。
もう1つは、地球温暖化の抑制に二酸化炭素の排出量を抑えるために植物由来のものを使用すればカーボンニュートラルの原理で二酸化炭素が増えませんよという考え方。
だからプラスチック製のものはやめて紙製(植物由来)のものにしましょうという考え方です。
では本当に紙製ストローが正解なのか?
前回もレジ袋の有料化の記事で書きました。
「海洋汚染」の問題ではそもそもがポイ捨てや海のそばに作ったを埋め立て場からプラゴミが流出するのが問題であってプラ製品が悪いわけではないということ。
少なくても日本ではプラストローゴミが海に流れ着く割合は少ないと思います。
発展途上国等から流出する割合が圧倒的に多いはずです。
紙製の商品はコストが高い(現状)
一番の解決方法はうえで書いたような発展途上国でポイ捨てを無くすことです。
先進国において紙ストローに置き換えたところでどのみち高性能な焼却施設で燃やされるだけで変わりありません。
製造コストが高い紙製ストローが発展途上国で広まるのでしょうか?
先進国だけで世論を熱くさていても世界的な問題解決には繋がりません。
プラストローの価格が安いのは原材料費が安いだけではなく製造コストも安いからです。
製造コストが安いということは少ない力で製造が可能ということです。
同じ本数をつくるのにプラストローと紙ストローでは生産時に排出される二酸化炭素はどちらが多いのでしょうか?
そのような数字は今のところみたことがありません。
スターバックは「FSC® 認証」をうけた紙ストローを採用するようです。
「地球温暖化抑制」の観点ではたしてどちらがエコなのでしょうか?
私は今からいろいろな数字が出てくるのを楽しみにしています。
1つ言えるのはプラが悪いわけではないということ。
一部の外資系企業ばかりが動き始めていますが、ちゃんとした比較検証と問題の末端を解決する動きをしないと臭いものには蓋をする動きにしか見えません。
希望
頭の良い研究者の皆さんへ
紙でもプラでもなくリサイクル可能で、仮に海に流れ着いても分解される新しい新素材を開発して下さい。